東レインターナショナル/21年度は中国ビジネス強化/衣料繊維のほか、非繊維も

2021年04月06日 (火曜日)

 東レインターナショナルは中国でビジネスの拡大を進める。2020年度(21年3月期)は新型コロナウイルス禍でも中国を中心に海外商事会社が健闘した。21年度も成長が期待できるとみる。衣料繊維は糸・わた・テキスタイル・縫製までの一貫型ビジネスで伸ばし、他分野の展開強化にも力を入れる。

 20年度が中期経営課題の1年目だった同社。新型コロナ禍で一般アパレルやスポーツは盛り上がりを欠いたものの、巣ごもり需要に応じた製品や防護服関連は伸長。水処理関係や浄水器も順調に推移している。全体の売り上げは19年度に届かない予想ながら、海外の商事会社は前年並みを確保できる見通し。

 沓澤徹社長は「中経2年の21年度も掲げた方向性にぶれはない」とし、成長国・地域でのグローバルな事業拡大をはじめとする三つの基本方針、重点顧客との取り組み強化といった四つの重点方針に沿って事業を進める。その中で力を入れるのが中国でのビジネス拡大だ。

 中国ビジネスの多くを占める衣料繊維は糸わた・テキスタイル・縫製までの一貫型の取り組みを強める。衣料繊維以外では炭素繊維や水処理関連、フィルム、樹脂で需要を取り込む。炭素繊維は水素タンクをはじめとする産業用途の伸長を狙い、旺盛な需要が続く水処理関連も順調に伸びていくと予想する。

 そのほかの国・地域ではASEAN地域に目を向けるほか、米国と欧州は人工皮革などを軸に自動車関連で伸ばす。インドも風力発電翼向けの炭素繊維など、「裾野が広くて成長性も高い」とし、将来的にも期待できるとの認識を示した。

 21年度はサステイナビリティー対応にも継続して注力。防護服関連が主体だが、「これまでは国内生産が多かったが、海外生産にも挑戦する」方針で、ベトナムやインドネシアでの製造を検討する。そのほか高機能素材を使ったスポーツ用途、巣ごもり需要に対応するルームウエアやインテリアの深耕にも取り組む。