東レ、山梨県、東京電力HD/水素社会実現への取り組み加速/共同事業体設立を検討へ

2021年04月16日 (金曜日)

 東レと山梨県、東京電力ホールディングス(HD)は、再生可能エネルギーの電力で水素を製造して貯蔵・利用するP2Gシステムの実用化に向けた取り組みを加速する。このほど共同事業体「やまなし・ハイドロジェン・カンパニー(YHC)」(仮称)の設立に向けて検討を進めることで合意に達した。山梨県内外で水素供給事業を可能とするほか、国が創出する新基金事業も取り込む。

 P2Gシステムについては、2016年度から新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業として3者が共同で技術開発を進めてきた。大型の水電解装置や水素出荷設備などの施設全体がおおむね完成し、今年6月から山梨県内の工場やスーパーマーケットで水素を利用する実証試験を始める。

 共同事業体の設立で、山梨県は50年までに温暖化ガスを実質ゼロにする脱炭素社会の実現に向けてP2Gシステムの実用化を加速する。県内外への普及を図るとともに、さらなる効率化・大容量化の技術開発に取り組む。

 東レは電解質膜、電極基材などの水電解・水素圧縮や燃料電池向け材料の開発・製造・販売を通じて、カーボンニュートラルを可能にする水素製造(水電解)、水素インフラ(圧縮・貯蔵)、水素利用(燃料電池)技術の発展に貢献する。