旭化成アドバンス/国内販売回復に手応え/シャツ向けトリコット拡販

2021年04月20日 (火曜日)

 旭化成アドバンスのスポーツ・ユニフォーム事業部は2021年度(22年3月期)、市況低迷が続く米国向けが苦戦を続けるとみているものの、国内を「ほぼコロナ前の規模に戻せる」(村山聖理事スポーツ・ユニフォーム事業部長)としており、全体の販売量を19年度の90%前後まで回復させる。

 20年度は新型コロナウイルス禍の影響でスポーツ用織物が上半期に大苦戦。下半期に入り国内アウトドアや欧州のユーザーからオーダーが入り出し12月以降、急回復に転じたと言う。

 21年度はいまだ米国からの受注が回復していないものの、国内での拡販に手応えを示しており、事業部全体では19年度実績の90%前後に戻せると見通している。

 廃棄された漁網を原料とする再生ナイロンを導入するなど環境配慮型素材「エコセンサー」のアップデートに取り組んでおり、21秋冬・22春夏向けに打ち出すとともに、海外市場にもブランドを浸透させるため、企画会社などとの連携を通じ欧米アパレルに対する仕掛けを強化する。

 3年ほど前からドレスシャツ向けに開発した「ベンベルグ」とポリエステルを交編したトリコットの販促に取り組んでいる。

 この間、郊外型量販店経由の販売を「倍々ゲーム以上のペースで伸ばしてきた」と言い、21年度も勢いを持続させるべく、改めて販路開拓に力を入れる。

 今年はアウター、インナー両部門との共同で5月26~28日に大阪支社(大阪市北区)で、6月9~11日東京本社(東京都港区)で「エコセンサー総合展」を開催する。

 ユニフォーム向けでは久しぶりの開催となる「ユニフォーム内見会」を11月に東京で開くことにしており、展示会に向けた作り込みを急いでいる。