革新二酸化炭素分離膜を開発/東レ

2021年04月26日 (月曜日)

 東レはこのほど中空糸状の多孔質炭素繊維を支持体とし、その表面に薄い炭素膜の分離機能層を持つオールカーボン2層構造による革新二酸化炭素分離膜を開発した。

 この分離膜は優れたCO2の分離性能と高耐久性を兼ね備え、従来の無機系分離膜に比べ設備を小型化することが可能という。

 炭素循環社会の実現に向けたCO2の利活用にはCO2分離技術が不可欠で、一般的な方法として吸収法や吸着法があるもののいずれもエネルギー消費量が大きく省エネルギー化という課題がある。このため、エネルギー消費量が小さい膜分離法が注目されており、世界中で研究開発が進められている。

 今回、直径300マイクロメートル未満の細い中空糸状の多孔質炭素繊維を支持体とし、その表面に数マイクロメートルの非常に薄い炭素膜の分離機能層を均一に形成したオールカーボンによる革新CO2分離膜を開発した。

 今後は同分離膜の社会実装に向けた研究・技術開発を加速。カーボンニュートラル実現のため研究・技術開発に挑戦し続けるとしている。