東レ ファイバー事業/生地・原反・製品売りを目指す/プロジェクトIで次工程に踏み込む

2021年04月28日 (水曜日)

 東レのファイバー・産業資材部門は2020年度下半期から“プロジェクトI(イノベーション)”に取り組んでいる。ファイバー事業では、糸やわた売りだけでなく、次の工程まで踏み込んで開発した商材で客先へのアプローチを強化し、新規商流を掘り起こすための取り組みを徹底するとの方針を掲げている。

 短繊維事業部は寝装・寝具関連で、量販店をターゲットにポリエステル短繊維による中わた、側地などを組み合わせた2次製品のセットを提案し、新規ビジネスの開拓に力を入れている。

 抗菌防臭や防ダニ素材で安心・清潔を、中空原綿で軽さ、保温性をそれぞれ訴求。最近、増えているというふとんを丸洗いするニーズにも応えられる寝装品を「当社が製品で納めることも念頭に売り込んでいる」と言う。

 不織布でも原反売りをにらんだ開発、販促に取り組んでいる。スパンレースの試験設備を活用し、主に衛生材料向けの原反開発を強化。除菌シートや化粧パフ狙いの原反で既存顧客とバッティングしない販路に限定し原反売りの実現を目指す。

 長繊維事業部は自動車内装材のサステイナブル化を目指し、白度やトレーサビリティーにこだわって商品化したペット再生ポリエステル「&+(アンドプラス)」によるモノ作り、企画提案を進めている。

 電気自動車や中級クラスの車種のトップグレードでのスペックインを目指しており、テキスタイル売りも視野に内装材メーカーへの販促を強化。21年度下半期にめどを付けた後、「22年度から実際の販売をスタートさせたい」考えだ。