東レ繊維事業/21年度は大幅な増収増益へ/一貫型ビジネスなどけん引に

2021年05月17日 (月曜日)

 東レは2021年度、繊維事業で大幅な増収増益を狙う。衣料用途で糸わた・テキスタイル・製品一貫型ビジネスの拡大に継続して取り組むほか、産業用途は自動車関連の需要回復を見込む。22年3月期は売上収益で前期比958億円伸ばし、事業利益は184億円の増加を計画している。

 20年度の繊維事業は、国内外とも新型コロナウイルス感染拡大による生産活動・消費行動停滞の影響を受けた。医療用白衣地やマスク用途で不織布需要が増加し、第3四半期以降に自動車関連用途で回復の動きがあったものの、総量の減少はカバーできず、21年3月期は減収減益で終えた。

 21年度の事業環境について国内外の経済は回復を続けるとみるが、先行きの不透明感が強く、正常化は緩やかなペースを前提とする。その中で繊維は売上収益8150億円(前年度実績7192億円)、事業利益550億円(同365億円)を予想しており、再成長を目指す。

 衣料用途では糸わた・テキスタイル・製品一貫型ビジネス拡大に取り組む。同時にスポーツやカジュアル、サステイナブル素材など、需要が堅調な分野での拡販に力を入れる。産業用途はエアバッグ用基布やスエード調人工皮革「ウルトラスエード」などで自動車向けを中心に販売を強める。