豊島「フードテキスタイル」/生活全般にトータル提案/染料抽出後の残さを食器に

2021年05月24日 (月曜日)

 豊島は廃棄予定の食材を染料に活用するプロジェクト「フードテキスタイル」で衣料品以外にも用途を広げている。染料を抽出した残さを食器に活用する取り組みを推進。キッチンやインテリアなどライフスタイル全般に向けた提案に力を入れる。

 残さと生分解性樹脂のチップを混ぜてコップや皿などの成型物にする。同プロジェクトでのサステイナビリティーの完成度をより一層高めるため開発を進めてきた。コーヒーの残さを使った食器は既に完成しており今後は提案を進める。

 最近では買い物時にエコバッグを使うことが主流となりつつある。例えばマイコップとして店に持ち込めば割り引きでコーヒーが飲めて従来の紙コップの削減につながるなど、サステイナビリティーとビジネスを両立させた仕組みやアイデアを顧客に訴求する。

 食器などのキッチン関係だけでなく、椅子張り地や壁紙、カーテンなどのインテリア向けも拡充。椅子張り地では合成皮革や綿・ナイロン混を開発したほか、壁紙はコーヒーの染料を練り込み、抗菌・防臭の機能を持たせた。インテリア向けは全体的に引き合いが増加している。

 衣料向けも採用ブランドが増えるなど国内外ともに順調に推移。サステイナビリティーや高付加価値を求める顧客からの反応は好調だ。海外向けは新型コロナウイルス禍で一時停滞したが戻りつつある。今後もサステイナビリティーのニーズは高まるとしてアピールを続ける。

 同プロジェクトは50種類の食材を活用し500色という豊富なカラーをそろえ、糸や生地、製品を展開する。今年で7年目を迎え売上高は堅調に拡大している。