東レ 長短繊維事業/プロジェクトIを推進/生地・製品販売も視野に

2021年06月01日 (火曜日)

 東レのファイバー・産業資材部門は2020年度下半期から“プロジェクトI(イノベーション)”を立ち上げた。糸やわたの売りっ放しにとどまらず、次工程まで踏み込んで開発したテキスタイルや製品による企画提案で新規用途・販路を開拓する取り組みを精力的に進めており、年明けから長繊維事業部の案件が滑り出す見通しとなった。

 同部門傘下の短繊維事業部は寝装・寝具関連で、性能を引き上げたある高機能詰めわたのブランドを一新するとともに、高機能詰め綿やポリエステル長繊維で商品化したふとんや側地を製品で提案する新規顧客開拓に力を入れている。

 最近はふとんを家庭で丸洗いしたいというニーズが増えてきているといい、ウオッシャブル性能にプラスアルファの機能性を持たせた寝装・寝具を製品で販売することも視野に量販店などへのアプローチに取り組んでいる。

 アクリル「トレロン」でも製品をにらんだ取り組みを重視。靴下や着圧ソックス、マフラーのようなアイテムで製品ビジネスを組み立てていくための企画提案に乗り出した。

 長繊維事業部は自動車内装材のエコ化を目指し、白度やトレーサビリティーにこだわって商品化したペット再生ポリエステル「&+(アンドプラス)」による複数の企画案件を進めている。

 電気自動車を販売する自動車メーカーがサステイナブルへの志向を強めているといい、アンドプラスによる軽いカーシート地を提案。テキスタイルでの販売もにらみ、来年1~3月期から新規ビジネスとしてのスタートに意欲を示している。