東レ 22秋冬スポーツ/新たに「エコディアナイロン」/ドレスシャツ向けニットの開発急ぐ

2021年06月08日 (火曜日)

 東レは22秋冬のスポーツ素材商戦にサステイナブルを切り口とする企画を全面に打ち出し臨んでいる。バイオ由来の原料を導入しナイロン610「エコディアナイロン」を新たに開発。エコ素材の多彩なラインアップを重点的に投入し、「少なくとも前年を上回る販売量を確保する」(大塚潤スポーツ・衣料資材事業部長)との方針を掲げる。

 20年度は新型コロナ禍による苦戦で「10~12月期がもっとも苦しかった」というが、年明けとともに復調し、欧米向けも回復基調をたどっているという。

 22秋冬に向けては、「サステイナブルを大前提に企画を組み立てる」としており、トレーサビリティーや白度にこだわって開発した再生ポリエステル「&+(アンドプラス)」による高機能素材の商品ラインを重点的に投入する。

 バイオ由来原料によるエコ素材の拡販にも力を入れており、これまではポリエステルによる「エコディア」の販売を先行させてきた。

 22秋冬からはナイロン610の販売を開始し、アウトドアなどナイロンへのニーズが高い業界への売り込みに着手する。国内外の著名アウトドアブランドからエコディアナイロンによる織物が注目されており、極細糸による軽量織物にラミネートを施した「ダーミザクス」の拡販を計画する。

 同社ではダーミザクスをグローバルな重点提案素材に位置付けており、「近々、ダーミザクスのウェブサイトを立ち上げる」ための準備を急いでいる。

 バイメタル糸使いの高ストレッチ素材「プライムフレックス」でもバイオナイロン使いの新タイプを完成させており、ブランドを付けた上で22秋冬から本格販売を開始する。

 春夏の主力素材に育ちつつある高通気「ドットエア」、汗染み防止「フィールドセンサーEX」の販促も重視しており、ドットエアの「アンドプラス」版、フィールドセンサーEXの短繊維版を早急に完成させたい考えだ。

 最近ドレスシャツ市場でスポーツ用の高機能ニットがシェアを拡大していることを踏まえ、東レもニットによる開発を強化。フィールドセンサーEXなどによるドレスシャツ向け商品ラインの構築を急ぐ。