シキボウのユニフォーム地/環境配慮原料を積極投入/市況は「最悪期を脱した」

2021年06月18日 (金曜日)

 シキボウはユニフォーム地で環境配慮型原料を積極的に投入する。新型コロナウイルス禍で低迷していた市況も「最悪期は脱しつつある」(繊維部門営業第二部の橋本康典次長)と見ており、新商品の開発・提案でさらなる需要の掘り起こしに取り組む。

 新型コロナ禍で外食などサービス産業向けのユニフォームの需要が減退し、ワークウエア向けも一時的に受注がストップしていたユニフォーム地だが、今第1四半期(2021年4~6月)は回復の兆しが見えてきた。

 サービスユニフォーム向けは依然として需要が低迷し、備蓄ワークウエア向けが流通在庫増加で荷動きが鈍いという問題は継続しているものの、企業別注ユニフォーム向けは案件が再び動き出した。電動ファン付きウエア向けも堅調。このため「好調時の80%水準まで回復している」と言う。

 こうした中、環境配慮型素材を積極的に投入する。ユニフォーム地はポリエステル・綿混生地が主流のため、使用するポリエステルを燃焼時の二酸化炭素発生量を抑制する「オフコナノ」に切り替えることを提案する。ベースのポリエステルは再生ポリエステルを使用していることから、リサイクルに加えて焼却による最終処分時の環境負荷低減にも配慮した素材であることを訴求する。

 綿もサステイナブルな科学的精密農法で栽培する米綿使いであることを証明する「コットンUSA」認証品にすることも可能。ポリエステルと綿の両方でサステイナブル原料にできる。

 そのほか、根強い人気が続いている校倉(あぜくら)造り構造織組織の高通気生地「アゼック」も強撚糸使いで涼感機能を向上させたタイプの開発を進めている。新型コロナ禍で注目が高まる抗ウイルス加工「フルテクト」もユニフォーム用途で実績を上げることを目指しており、特に対面サービスが必要な業種のユニフォームに向けて提案する。