東レ/「&+」が本格始動/ナイロンで繊維to繊維に意欲

2021年06月22日 (火曜日)

 東レは2020年度からの中期経営課題「AP―G2022」を通じ環境経営を改めて強化しており、グリーンイノベーション(GR)プロジェクトによる売上高を1兆円に引き上げる中期戦略に取り組んでいる。繊維事業では、拠点ユーザー経由でペットボトル再生ポリエステル「&+」(アンドプラス)の販売を相次いで立ち上げ、前年比で50%増近い拡販を見込んでいる。

 20年度、GRプロジェクトでは、航空機向け炭素繊維複合材料の販売が低調だったため全体の売り上げは前年を下回ったものの年々、引き合いを増している「ペットボトル再生ポリエステルの販売で前年増を確保した」という。

 21年度は白度やトレーサビリティーにこだわって開発した再生ポリエステル「アンドプラス」の市場浸透を目指しており、「ユニクロ」ブランドやイトーヨーカ堂、ワコール、デサントからアンドプラスで商品化したアイテムの販売が相次いで始まる。

 ファイバー・産業資材部門もアンドプラスの拡販に力を入れている。次工程に踏み込んで新規客先の開拓を目指すプロジェクトI(イノベーション)の一環としてカーシート狙いの開発・販促を進めてきた。

 これまでカーシート向けは糸売りで対応してきたが、来年の1~3月期から電気自動車に搭載されるカーシートに向けてアンドプラスで開発を進めてきたテキスタイル(ニット)による販売を開始する。

 現状で小規模にとどまるナイロンのリサイクルを本格化させる準備を進めており、生産工場内で発生する繊維クズをケミカルリサイクルでナイロン繊維に再生する“繊維to繊維”を「22年度下半期から大々的にスタートさせる」としている。