豊島 SHINDO/廃漁網からテープ開発/アップサイクルで協業

2021年07月20日 (火曜日)

 豊島と服飾資材大手のSHINDO(福井県あわら市)は、豊島の廃漁網を繊維原料に再生する取り組み「アンタングルイット」についてブランドパートナーとして連携し、商品開発や用途拡大を推進する。このほど再生ナイロンを100%使用して完成させた細幅のテープ類は、綿ライクな風合いを持つ。品質に対する要求にも応える商品を通じ、廃漁網のアップサイクルの価値を訴求する。

 台湾では、使用済みの漁網を回収し、加工・選別の作業を経てアパレル製品に適した繊維を生み出すアップサイクルシステムが構築されている。アンタングルイットは、このシステムで生まれた繊維を使って生地やアパレル製品を作る。回収から行うアップサイクルのシステムを普及させ、放流された漁網が海洋生物に絡まる「ゴーストフィッシング」の削減につなげる。

 SHINDOはテープなどの副資材に使用するポリエステルのリサイクル品の比率を高めている。ナイロンでもリサイクルの活用を検討する中、社会的関心が高い廃漁網に着目し、アンタングルイットの繊維を原料にするテープ類の製造を決めた。

 スパン糸を使って試作を重ね、綿ライクな風合いの細幅のテープ類を完成させた。テープの生機を作り後染めする手法を取り入れた。

 出来上がったのは、ニードル(ベルト)、経編みのラッセル、製紐(せいちゅう)の3種類。品質にこだわるブランドに提案先を絞り、小ロットにも対応する姿勢を打ち出す。