東レ/新規接着剤を開発/植物由来成分を導入

2021年07月29日 (木曜日)

 東レはこのほど、環境負荷低減物質を使用するとともに植物由来成分を原料とする新規接着剤を開発した。東レ・デュポン(東京都中央区)、東レハイブリッドコード(愛知県西尾市)はその接着技術を確立した。

 東レは長期的に暴露した場合、体に影響を及ぼす可能性があるレゾルシン・ホルムアルデヒド(RF)を含まず、かつ植物由来成分からなる環境配慮型のゴム補強繊維用の接着剤を開発した。

 東レハイブリッドコードでこの接着剤を使用するゴム補強用繊維製品(コード)の加工生産のための接着技術を確立。東レ・デュポンが展開するアラミド繊維への加工など東レグループが保有する高機能繊維によるゴム補強用繊維製品(コード)のラインアップを充実させる。

 タイヤや自動車用ホース、自動車用ベルトなどのゴム製品には補強剤として合成繊維が広く使用されている。

 これらのゴム製品を補強する際には、合成繊維とゴム組成物を接着させる必要があり、接着剤としてレゾルシン・ホルムアルデヒド・ラテックス(RFL)接着剤が80年以上使われてきた。

 しかし、RFは内分泌かく乱といった体への負担の懸念や近年の環境意識の高まりを受けた環境により優しい接着剤へのニーズの高まりに伴い、RFを含まない新規接着剤の開発が求められていた。

 今回、従来からの基本技術をベースに、接着剤の組成の最適化を図ることでRFL接着剤と同等の性能を持ちながらRFを含まない新規の接着剤を開発した。

 これにより、接着剤加工プロセスでのRFの排出を抑えることで環境負荷を低減でき、接着剤の成分に植物由来原料を使うことから従来の手法に比べGHG(温室効果ガス)排出量を抑えることができる。