旭化成アドバンス繊維資材事業部/21年度も過去最高を計画/エアバッグ事業拡大

2021年08月11日 (水曜日)

 旭化成アドバンスの繊維資材事業部は2021年度、耐炎繊維「ラスタン」や3次元立体編み物「フュージョン」などで拡販を計画する。縫製にも参入したエアバッグ事業の拡大にも取り組み、21年度も売り上げで過去最高業績の更新を計画する。

 20年度は、建設市況の低迷で好調だった「ラスタン」の販売は伸び悩みに転じたが、下半期から回復し前年実績をクリアした。

 ある家電メーカーが展開する空気清浄機のフィルターに採用された「フュージョン」の販売は急増した。新型コロナウイルス禍で特需が発生。マスクや防護服、メディカルガウン向けの販売が急増したことも重なり、売上高、営業利益で過去最高を達成した。

 21年度は新型コロナ禍関連の特需に前年ほどの勢いが見られないため、利益は伸び悩むとみているものの、自動車関連で新規商材の販売を立ち上げる増収効果などで引き続き売上高で過去最高の更新を計画する。

 旭化成グループは21年度で中期3カ年計画の最終年度を迎えている。旭化成アドバンスは「中計の業績目標も達成できる」との手応えを示している。

 21年度もラスタン、フュージョン、防護服で販売増を見込んでいるほか、新型コロナ禍で工場の立ち上げが遅れたエアバッグ縫製事業に力を入れる。

 ラスタンでは東京五輪後、ビルの建設工事が再開されるに伴い、スパッタシートの販売が回復するとみており、開発を進める家電や自動車向けの不織布のスペックインに力を入れる。フュージョンでは、主力のマットレス向けで拡販を目指すとともにカーシート向けの開発を急ぐ。

 同社はエアバッグ事業で旭化成アドバンスベトナムを設立し縫製事業に参入。工場を新設し19年度後半から量産をスタートさせた。

 新型コロナ禍で当初計画よりも1年遅れとなっているが、ドライバー用だけでなく他の部位に使われるエアバッグへも守備範囲を広げ、早急に年産250万個体制を構築する。

 現在、22年度からスタートさせる中期計画の策定作業を進めており、次期中計でも自動車関連資材やエアバッグ事業を強化し成長路線を維持する。