クラレ/12月期は過去最高の売上高に/川原社長は達成に自信

2021年08月17日 (火曜日)

 クラレは、2021年12月期に過去最高の連結売上高6100億円を見込む。1~6月は多くの事業で販売が伸びたが、7月以降も旺盛な需要が続いており、川原仁社長は「(目標は)達成できる」と自信を示す。ただ「重視しているのは収益性」とし、繊維を含めて、利益率の向上に継続して力を入れる。

 5月に公表した5700億円の予想から400億円上方修正し、18年12月期の6030億円を上回る見通し。営業利益も110億円の上方修正を行い、660億円という予想を立てた。17年12月期の過去最高益764億円には及ばないものの、18年12月期の658億円を上回る。

 今年1~6月期は、新型コロナウイルス感染拡大の影響が残ったが、他の国・地域に先行して持ち直しが進む米国や中国にけん引され、その他を除いた全セグメントで増収増益を達成した。下半期(7~12月)も多くの事業で需要が堅調に推移するとみている。

 繊維セグメントの21年12月期は売上高620億円、営業利益40億円の見通しで、前期比増収増益。前回予想から売上高で50億円、営業利益で10億円上方修正した。トレーディングセグメントは売上高1400億円、営業利益45億円を見込んでいる。「ビニロン」やベトナムでの縫製品が順調に動くとみる。

 収益性重視という方針を掲げ、繊維セグメントでも営業利益率2桁%以上を目指す。川原社長は「今年度は届かないが、ビニロンや人工皮革『クラリーノ』などで付加価値を高め、22年度に始動する次期中期経営計画で達成したい」と話した。