帝人フロンティア/環境戦略を推進/30年目標の前倒し達成へ

2021年08月31日 (火曜日)

 帝人フロンティアは環境戦略「シンクエコ」の取り組みを加速する。7月に新設したサステナビリティ戦略推進部で中長期の環境戦略を策定していく中、2030年度目標の前倒しも検討する。技術開発もサステイナビリティーに絡むテーマを増やしていく。

 同社は昨年、環境活動指針を発展させる形で環境戦略「シンクエコ」を打ち出した。30年度に向けて「リサイクル比率50%以上、植物由来比率10%以上」「モノ作りが省エネな商品を100%」などの目標を明確に定めている。

 取り組みを加速するため、7月にサステナビリティ戦略推進部を技術・開発本部内に新設した。シンクエコの推進チームを発展させた形で、業務範囲を広げて人員も増強。全社の環境戦略を策定する役割を担い、現在は専任8人、支援メンバー20人以上で構成する。さらなる増員も検討する。

 サステナビリティ戦略推進部長を兼ねる重村幸弘取締役執行役員技術・開発本部長は「サステイナビリティーに対する注目が急速に高まっており、会社として最も重要な戦略になる」と背景を説明する。

 今下半期は、30年度目標に向けた具体的なアクションプランの策定や次期中期計画に落とし込む作業などを進める。重村取締役執行役員は、「環境に対する関心の高まりを考えると、30年度目標を前倒しすることも必要」とし、早期達成に向けた戦略を検討する考えを示す。

 取り組みを加速するため環境負荷低減につながる技術開発を強化する考えで、研究開発はサステイナビリティーに絡むテーマをさらに増やしていく。有機溶剤を使用しない製法や節水型の染色方法のほか、再生ポリエステル繊維「エコペット」でもより少ないエネルギーでの生産を可能とするなど各面で技術革新に挑む。

 海外グループ会社を含め、サプライチェーン全体で環境負荷低減を図る。既に調達戦略の中で基準はあるが、CO2や水の削減などを含めてよりサステイナビリティーを重視した基準も検討していく。

 環境省や経済産業省、ジャパンサステナブルファッションアライアンスなどとの取り組みにも力を入れる。