繊維ニュース

クラボウ「ループラス」/産地間連携に活用/今治タオルと奈良靴下で

2021年09月02日 (木曜日)

 クラボウは、今治タオル工業組合、奈良県靴下工業協同組合と連携し、同社の繊維アップサイクルシステム「ループラス」を活用したサステイナブルな取り組みを推進する。両組合で回収した端材をクラボウが独自の開繊・反毛技術でアップサイクル糸にし、産地に供給する。産地内だけでなく産地間でアップサイクル原料を共同利用することで、ループラスを通じた産地間連携にも取り組む。

 現在、繊維産地では各企業で発生する残糸や端材の廃棄量削減や有効活用が課題となっている。このためループラスへの引き合いは多く、既に今治産地のタオルメーカーがループラスの利用を開始したところ、今治タオル工業組合も取り組みに賛同し、産地全体でループラスに取り組むことになった。奈良県靴下工業協同組合からもループラスに参加し、組合内だけでなく今治タオル工業組合と産地間連携することへ賛同の声が上がった。

 今治タオル工業組合と奈良県靴下工業協同組合から回収した端材をクラボウの安城工場(愛知県安城市)で開繊・反毛し、アップサイクル糸に紡績する。これを産地に供給し、両組合の加盟企業が製造する製品に利用する。通常なら廃棄される端材を再資源化することで環境に優しいほか、アップサイクル原料のトレーサビリティーも明確になる。

 アップサイクル糸を両産地で共同利用することで産地間連携も進める。既に今治タオル産地から回収した端材を原料に再利用した糸を奈良靴下産地に供給する取り組みも試験的に始めた。今後、「今治タオル産地の端材をアップサイクルした奈良靴下」といった新しいコンセプトの商品開発も期待される。

 今後はループラスで両産地のニーズに応える糸開発を進めるほか、他の産地にも参画を募り、提携する産地組合の拡大で繊維産地全体の活性化を目指す。展示会出展などを通じて市場ニーズを掘り起こし、素材開発から販売までの「サーキュラーエコノミー(循環型経済)」を実現するビジネスモデルを構築する。