東レ 長繊維事業部/「アンドプラス」の販売急増/プロジェクトⅠが前進

2021年09月07日 (火曜日)

 東レの長繊維事業部は再生ポリエステル「&+」(アンドプラス)の拡販に力を入れている。海外スポーツ・アウトドア系ユーザーからの引き合いが特に急増しており、「トータルの受注が販売可能な数量を上回りつつある」(赤江宏一長繊維事業部長)と何らかの増産対策に迫られそうな様相だ。

 アンドプラスはトレーサビリティー、白度にこだわって開発したPET再生ポリエステル。東レの繊維製造技術と協力企業のリサイクル技術との融合で、使用済みペットボトルを原料としながらもバージン原料由来のポリエステルと同等の品質を持たせた。

 メガブランドやヨガ系アパレルからの受注が堅調に推移しているほか、最近は学販用のシャツ地、自動車内装材向けの販売をスタートさせている。

 エコ素材による開発・企画提案に取り組んできた結果、リサイクルナイロンでも新規販路を開拓。ワコールが商品化するインナーウエアでの採用が決まった。

 東レは昨年下半期から、糸、わたを売るだけでなく一歩、前の工程に踏み込んだ生地や製品による企画提案を通じ新規販路を掘り起こす“プロジェクトⅠ(イノベーション)”に取り組んでいる。

 自動車内装材をターゲットにアンドプラスを投入。電気自動車を展開する自動車メーカーに生地売りもにらんだ企画提案を進めており、2021年度下半期中にスペックインを実現し「22年度から実際の販売を立ち上げたい」考えだ。