韓国TAK/メタ系アラミド増設検討/差別化品の開発にも投資

2021年09月08日 (水曜日)

 東レの韓国子会社、トーレ・アドバンスド・マテリアルズ・コリア(TAK)は、メタ系アラミド繊維「アラウイン」の増設を検討する。成長市場と位置付ける防護服、バグフィルターの需要増に対応するため。さらに付加価値の高い差別化された新商品の開発にも投資する計画だ。

 同社は乾式紡糸によるメタ系アラミド繊維であるアラウインを2009年に事業化し、13年から短繊維での量産体制を構築した。現在、年産2400トンの規模を持つ。用途別比率は防護服用白わた65%、同原着わた5%、バグフィルター用35%で、販売量の90%が欧州、米国、中国への輸出となっている。原着わたは21年から販売を始めたが、好評なためさらなる販売拡大に期待する。

 アラウインでは16年に長繊維の試験設備、19年に量産設備(生産能力は非公表)を導入した。主にターボチャージャーホース用に、大半を欧州へ輸出する。中長期的にはその他産業用途の拡大を狙うほか、防護服向けも手掛けたい考えで、原着糸、細繊度糸の開発も進める。メタ系アラミドの長繊維はアラウインが事業化するまで米国デュポンの「ノーメックス」しかなった。

 その他、アラウインではショートカットファイバー、パルプも製造販売する。