東レ/ハンガリー子会社をLG化学との合弁に/バッテリーセパレータフィルム事業強化

2021年10月29日 (金曜日)

 東レは27日、韓国のLG化学(ソウル市)との間でグループ会社であるトーレ・インダストリーズ・ハンガリー(THU、ニュルゲシュウィファル市)に対してLG化学が新たに約430億円を出資しTHUを存続会社とした持分比率50体50の合弁会社「LG・トーレ・ハンガリー・バッテリー・セパレータ」(LTHS)を設立することで合意した。

 THUはリチウムイオン2次電池(LIB)用バッテリーセパレータフィルムを製造・販売する東レの100%子会社。

 合弁会社は現THUの現有設備で車載用LIB向けバッテリーセパレータフィルムを製造し、LGグループの欧米拠点向けに販売することを目的に設立された。

 今後の需要拡大に備え、現THU敷地内でフィルム基材の製膜設備増強とコーティング加工設備を新規に導入すること、合弁設立から2年半経過後に東レ持分の20%をLG化学に有償譲渡し、以降はLG化学が経営・事業の主体を担うことでも合意した。

 車載向けLIB用バッテリーセパレータフィルムでLG化学はコーティング技術、東レはフィルム基材の製膜技術にそれぞれ強みを持ち、これまでグローバルに製品を供給してきた。

 合弁会社には、LG化学、東レが保有するLGグループLIB用セパレータ製造に必要な技術をライセンス供与し、両社の強みを生かして高品位なLIB用バッテリーセパレータフィルムを製造する。LGグループの電池素材から電池製造までの垂直事業モデルのもとで安定的な販売先を確保し事業拡大に取り組む。