東レ エアバッグ事業/当面、値上げに重点/サステ狙いの取り組みも

2021年11月25日 (木曜日)

 東レはエアバッグ用ナイロン66事業で、原燃料価格急騰に伴うコストアップを転嫁するための値上げに力を入れるとともに、顧客からの要望が強まっているというサステイナブルをにらんだ取り組みを進める。

 新型コロナウイルス禍でエアバッグ用ナイロン66事業は2020年度上半期に苦戦を強いられたものの、自動車業界の復調に伴い下半期以降、業績は回復。国内外の原糸、基布、縫製の各拠点が全てフル操業に転換した。

 しかし、北米のナイロン66原料メーカーが寒波の影響でフォースマジュール(不可抗力)を表明したことで、原料を充分に手当てできなくなり「作りたくても作れない状況を強いられた」。

 現在、状況は多少、改善されてきたものの、供給制限が続いており、コストアップ分の転嫁作業を強化する。

 エアバッグでも、ここに来て高まる環境を配慮した取り組みとして、製造工程におけるCO2排出量の削減を強化するとともにバイオ原料の使用やエアバッグのリサイクルも検討する。

 自動運転の進展に伴い普及が見込まれる新タイプエアバッグ狙いの開発を重視。「細くてコンパクトで強い糸、基布をどう実現するか」をターゲットに縫製子会社とも連携し開発に取り組む。