東洋紡STC 22秋冬インナー/安全・清潔素材を提案/再生ナイロンに引き合い

2021年12月09日 (木曜日)

 東洋紡STCは22秋冬向けのインナー・肌着素材で、安全、清潔感を特徴とする除菌素材「アグリーザ」や抗ウイルス素材「ナノバリアー」、消臭素材「デオドラン―C」などを重点的に投入する。

 新型コロナウイルス禍で2020年度は苦戦を強いられ、21年度を迎えても「荷動きは依然、鈍く、市況は多少、回復する程度にとどまっている」(宮嵜勝浩マテリアル事業部長)。22秋冬に向けては、安全や清潔感にこだわって開発した素材群を打ち出し、「大きく伸ばすのは難しいが、10%前後の拡販を目指す」。

 昨年ほどの勢いは見られないものの、新型コロナ禍に伴い安全な清潔素材が引き合いを集めているという。アグリーザは銀イオンを配合した抗菌アクリル「銀世界」を活用したもの。抗ウイルス性を持つナノバリアーや「ヴァイアブロック」とともに打ち出し拡販を計画する。

 同社は綿を改質し高機能化する開発にも力を入れてきた。オーガニックコットンで商品化した吸汗速乾「爽快コット―O」、消臭「デオドラン―O」を年間企画としてラインアップしており、秋冬向けには、同じく綿の改質で吸湿発熱機能を持たせた「ホットナチュレネオ」をラインアップする。

 連携する台湾メーカーからはナイロンを調達し、高強力「シルファインプレミアム」、再生ナイロン「ループロン」で開発したファンデーション向けトリコットを販売する。エコに対するニーズの高まりに伴い最近は後者が引き合いを集めていると言う。

 全体の5割近くまで引き上げてきたオーガニックコットンとともにエコ素材としての打ち出しを強め拡販を目指す。

 綿花などの価格高騰によるコストアップを転嫁するための値上げに取り組んでおり、個別対応を強化し早急に浸透させたい考えだ。