担当者に聞く ユニフォーム最前線2021(13)/東洋紡STC ユニフォーム事業部長 山本 慎太郎 氏/「スクラムテック」を充実

2021年12月17日 (金曜日)

  ――2020年度は新型コロナウイルス禍に翻弄された1年間でした。

 4~6月はそれまでの成約もあったため、大きな影響を受けませんでしたが、7月以降、苦戦に転じました。病院白衣は堅調でしたが、サービスや接客業向けが低迷しました。「Z―シャツ」に代表される高機能ニットシャツ地は好調を維持しました。

  ――21年度の状況は。

 サービスや接客業向けに回復の兆しは感じられません。病院白衣は下半期も順調です。メンズワーキングはやや弱含みといった様相です。サービス、接客業向けが回復してくれば、底上げにつながるとみています。人流が回復し、店舗も営業し始めたことですし、コロナ次第ではありますが22年度からは回復に転じるのではないでしょうか。

  ――ベトナムに縫製工場を構えています。

 工場のロックダウン(都市封鎖)が2カ月間も続き、この間、全く生産することができませんでした。一部の工場は従業員が泊まり込んで操業をしていたようです。2カ月止まっていた分、現在はフル稼働が続いていますが、縫製工場があるベトナム南部は労働力不足が顕著なため、この間のマイナスをどこまで取り戻せるかは分かりません。

  ――東洋紡グループ総合展を東西で開催しました。

 ペットボトル再生繊維「エコールクラブ」、抗ウイルス「ナノバリアー」、制菌「エピコモド」、難燃「レジスファイアー」、ストレッチ「オールフレックス」などを打ち出しました。

 スポーツ部門からの販売が先行した高機能ニット「スクラムテック」では、耐久性をアップさせた「同タフ」、フリーカットしてもほつれにくい「同フリーカット」、伝線しにくい「同ノンラン」、吸汗速乾、防風、撥水(はっすい)、UVカットといった機能性を持たせオールシーズンに対応する「同プロ」などのラインアップで拡販を目指します。紳士服郊外店へのZ―シャツの販売が好調に推移しており、今後はスクラムテックでジャケット&パンツを開拓する企画提案を強化します。

  ――原燃料の高騰が続いています。

 これから値上げに着手します。合繊原料や綿花、染色加工料、物流費など全てのコストが急激にアップしています。年明けからアナウンスし、4月1日出荷分から新価格体系に移行させたいと考えています。