東洋紡/植物由来100%でPET樹脂を重合/サントリー・アネロテックと連携

2021年12月23日 (木曜日)

 東洋紡はサントリーグループ、米国のバイオ化学ベンチャー企業・アネロテックが共同開発した植物由来原料を100%使用するペットボトルの試作に当たり、原料となる100%バイオPET(ポリエチレンテレフタレート)の重合に成功した。

 サントリー、アネロテックは2012年から植物由来原料だけを使ったペットボトルの共同開発に取り組んできた。

 PET樹脂は化石原料由来のエチレングリコールとテレフタル酸を重合して製造するのが一般的で、エチレングリコールを植物由来原料で生成したPET樹脂によるペットボトルは既に実用化されている。

 もう一方のテレフタル酸の粗原料であるパラキシレンについては、これまで植物由来原料からの生成は困難とされてきたが、アネロテックが独自開発した技術によりパラキシレンを非可食のウッドチップから生成できるようになった。

 東洋紡はサントリーと連携し、アネロテックの技術で生成された植物由来原料100%のテレフタル酸と植物由来のエチレングリコールから100%バイオPET樹脂を重合することに成功。サントリー、アネロテックの植物由来原料を100%使用するペットボトル試作品開発に貢献した。

 今後はPETフィルムでの実用化を目指すとともに、サントリーや東洋紡を含むプラスチックバリューチェーン各社が設立したアールプラスジャパンによる使用済みプラスチックの再資源化事業に参画し循環型経済の実現を目指す。