東洋紡「ブレスエアーダブルプルーフ」/防ダニの新タイプ/業界初の認証取得

2021年12月27日 (月曜日)

 東洋紡はこのほど3次元網状繊維構造体「ブレスエアー」の新グレード「同ダブルプルーフ」を開発した。ダニの増殖を抑制する防ダニ性能、従来品を上回る抗菌性能を併せ持っており、弾性クッション材として業界で初めて防ダニ加工素材の認証を取得した。マットレスなどの寝具向け、ソファなどのインテリア向けに来春から本格的に販売する。

 ブレスエアーは熱可塑性ポリエステル系エラストマー「ペルプレン」を繊維状にして立体的に接合した構造体。軽量・高反発で耐久性や通気性にも優れているため、ウレタンフォームに替わるクッション材として一般・業務用寝具から鉄道車両の座席シートまで幅広い用途で採用されており、1996年の発売から今年で25周年を迎えた。

 近年、清潔意識の高まりから防ダニ性能を持つ寝具へのニーズが高まっているという。寝具の〝側(中わたを入れる前の半製品)〟生地に高密度織物を使ってダニの侵入を防ぐ方法が主流となっているが、通気性の低さに伴う蒸れ感が課題となっていた。

 課題解決のため同社はブレスエアーダブルプルーフを開発した。ダニに作用して増殖を抑制する機能剤を原料に練り込むことで高い防ダニ性能を実現した。9月21日には、弾性クッション材として初めてインテリアファブリックス性能評価協議会より「防ダニ加工認定製品」に認証された。

 さらに、抗菌剤の改良で従来品よりも高い抗菌性能を付与。SEK抗菌防臭加工マーク、SEK抗菌加工マークの認証も取得した。

 家庭やホテルなどで使われるマットレスやソファ向けにブレスエアーダブルプルーフを提案し22年春から量産を開始。年間500トンの販売を見込んでいる。