ダイワボウレーヨン/カーボンオフセット導入/4月から対応レーヨン販売

2022年02月18日 (金曜日)

 ダイワボウレーヨンは、これまで推進してきたレーヨン製造工程での二酸化炭素排出量削減を一段と加速させるために、排出権を購入することで間接的に温室効果ガス排出量を削減するカーボンオフセットを新たに導入した。これに対応したレーヨン短繊維を4月から販売する。

 カーボンオフセット制度は、植林・森林保護活動、クリーンエネルギー事業などで削減された二酸化炭素排出量を排出権として売買することで実際に排出量が削減されたところとは別の場所でも間接的に排出量を吸収する仕組み。排出権を購入した事業者は、自己の排出量を相殺(オフセット)することができ、社会全体での温室効果ガス削減に貢献できる。

 ダイワボウレーヨンはこれまでもレーヨン短繊維を製造する益田工場(島根県益田市)を中心に二酸化炭素排出量の削減に取り組んでおり、現在は2013年対比で約30%の削減を実現している。こうした取り組みを一段と加速するために、カーボンオフセット制度も導入した。自家工場での直接的な排出量削減と、カーボンオフセット制度活用による間接的な排出量削減の両方に取り組む。

 4月からカーボンオフセットを組み込んだレーヨン短繊維の販売も開始する。レーヨンは木材パルプが原料のため、原料ベースではカーボンニュートラルな素材。これに製造工程での二酸化炭素排出を削減・オフセットできれば、二酸化炭素排出量実質ゼロの繊維とすることができる。今後、カーボンニュートラルに関する第三者認証の取得も進め、環境に優しい繊維としてのレーヨンの存在を一段と打ち出す。

 レーヨンなど再生セルロース繊維は、原料が植物であり、生分解性もあることから環境配慮素材として関心が高まっている。製造工程を含めたカーボンニュートラル化の動きも加速しており、既にレンチングが再生セルロース繊維「テンセル」でカーボンオフセットを組み込んだゼロカーボンテンセルを実用化している。

 今回、ダイワボウレーヨンもカーボンオフセットの導入でレーヨンのカーボンニュートラル化を進めることになる。環境配慮素材としてのレーヨンの用途や需要の拡大につながる取り組みとして注目を集めそうだ。