伊藤忠・岡藤会長CEO/着実に利益積み上げる/新たな流れにこそ商機

2022年03月16日 (水曜日)

 「長期や大きな目標はいらない。着実に利益を積み上げていくことに集中すべき」と伊藤忠商事の岡藤正広代表取締役会長CEO。15日、大阪市内で開いた会見、懇親会の場で語った。

 前期(2022年3月期)は時価総額、株価、純利益で商社トップに立つ「悲願の“3冠”」を達成したが、今期は資源の異常なまでの高騰を背景に他の商社が大きく利益を伸ばすことがほぼ確実。「これはもうどうしようもない」と今期については白旗を挙げる。「無理はしない。自然体の決算で」とも強調した。

 繊維事業については、総合商社の中で繊維部門を本体に置いているのはもはや同社のみと強調した上で、そのメリットを取引先も高く評価していることを紹介した。

 「小さなアパレルが伸びているような事例が幾つもある。時代の変化を捉えつつマーケットインの発想で消費者の気持ちをつかんでいるということだ。この現象は繊維で特に見られるものと言え、そこに商機がある」と話した。海外市場については、「国内で成功していない企業や事業が海外で通用するはずがない」と指摘。あくまで国内市場の次に海外市場があるとの見解を示した。