クローズアップ/伊藤忠マシンテクノス 代表取締役 会長執行役員 松本 茂伸 氏/統合効果で総合的な提案

2022年04月13日 (水曜日)

 伊藤忠システックは工作機械や食品・医薬品機械などを扱う伊藤忠マシンテクノスと1日付で統合し、新しい形でのスタートを切った。松本茂伸代表取締役兼会長執行役員に統合の狙いや繊維機械の方向性を聞いた。

 ――統合の背景は。

 伊藤忠マシンテクノスは、2010年に伊藤忠メカトロニクスと伊藤忠産機が統合して設立され、11年には伊藤忠フーデックと統合しています。その次の方向として、約10年前から伊藤忠システックとの統合の可能性については常に話題に挙がっていました。先の不透明感が強い中、経営資源の再編成、集中で基盤を強化し、荒波を乗り越えていくためにこのタイミングでの統合となりました。統合により品ぞろえが豊かになり、顧客ニーズに幅広く応えることができるようになりますし、効率化や人の流動性などの面でも統合効果が期待できます。

 ――繊維機械の方向は。

 従来と位置付けは変わらず、引き続き力を入れていきます。衣料品だけでなく資材分野にも積極的に目を向け、繊維製品を作る機械だけでなく端材をリサイクルする機械など領域も広げていきます。

 ――繊維機械の体制は。

 主に工作機械、産業機械、食品・医薬品用機械を展開していますが、繊維機械は産業機械の分野に入ります。産業機械の部署として産業機械第一部門と同第二部門があり、うち第一部門に繊維資材機械第一~三部を置いて、国内向けの織機や編み機、染色機、不織布機械などを販売します。従来と同様に大阪本社に拠点を置いて日本全国をフォローし、技術サービスの体制も変わりません。産業機械第二部門には第一~六部があり、プラスチック、フィルム、樹脂関連、電池関連などの機械を扱います。

 ――統合効果は。

 これからいろいろな場面で相乗効果が出てくるとみています。既に昨年から両社の協業を進めており、その動きをさらに加速させます。例えば繊維製品を作る機械だけでなく、太陽光発電やバイオマスボイラーなど会社全体への提案が可能となります。今は繊維業界だけでなく全ての業界で環境負荷の低減、省人化・自動化、リサイクルなどいわゆるSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みが重要なキーワードになっています。伊藤忠システック、伊藤忠マシンテクノスともSDGsに貢献する商品に力を入れてきましたので、統合効果を出して総合的な提案を進めていきます。エンジニアリング部門も強化されますので、技術サービスもさらに充実させていきます。