旭化成アドバンス/車両資材の年商3倍へ/エアバッグ向け中心に

2022年05月12日 (木曜日)

 旭化成アドバンスの車両資材事業部は、事業部年商を2025年度(26年3月期)に21年度の3倍に引き上げる。同事業部は自動車用エアバッグ関連資材を中心に展開しており、新型コロナウイルス禍の下にもかかわらず21年度は過去最高の売上高を計上した。

 4月1日付で車両資材部から同事業部に昇格。今後もエアバッグ中心の事業拡大を計画しており、ベトナムに開設するエアバッグ基布織布拠点の旭化成エアバッグファブリックベトナムや、縫製拠点の旭化成アドバンスベトナムを駆使した取り組みに力を入れる。

 エアバッグでも、ここに来てリサイクルへのニーズが高まっている。縫製拠点で発生する端材のリサイクルを既に進め、「マテリアルリサイクルにも挑戦したい」(関透車両資材事業部長)考えだ。

 中国では、旭化成からスパンボンドを調達しエアバッグ包材を生産する。25年度までに生産規模を2~3倍に増やす。

 新規事業として、海外協力拠点で生産する耐炎繊維「ラスタン」の不織布に期待を示す。電気自動車のモーターやエンジン回りでのスペックインに取り組む。

 高機能不織布「プレシゼ」による自動車用吸音材、カーシート向けの3次元構造体「フュージョン」、部分バイオポリトリメチレンテレフタレート(PTT)繊維によるカーシート地の開発・販促にも取り組み、これらの新規事業ではエアバッグ以上の伸びを計画する。