クラレトレーディング/新たに防滑性持つ極細ナイロン/CO2約4割削減

2022年05月20日 (金曜日)

 クラレトレーディングは防滑性を持つ極細ナイロンの新素材「フィブレスタ」を開発した。ナイロン特有の柔らかな風合い、高いグリップ性を併せ持っているため、衣料やスポーツ用品などに用いることで体へのフィット感を高められる。

 特殊ナイロン繊維とクラレ独自の水溶性樹脂で構成する海島構造の複合繊維を形成。熱水処理によって極細繊維の束になり、生地にすると高いグリップ力が得られる。体の動きに伴う衣類のずれを防ぐほか、柔らかな風合い、快適な着心地も実現した。

 熱水処理だけでマイクロファイバー化できるため、一般的なアルカリ処理に比べCO2排出量を約4割削減できるのも特徴。

 クラレグループが18日から開催した「スポーツ&アウトドア オンライン展示会2022」で紹介し、2023年初旬からの販売に向けて衣料、スポーツ、インテリア分野などに提案する。

〈スポーツ&アウトドア オンライン展/クラレグループ〉

 クラレは7月8日まで「スポーツ&アウトドア オンライン展示会」を開催している。昨年は延べ4500人以上が来場し、大きな反響を得た。

 今回はクラレグループ7事業部門から開発品を含む17の製品を紹介している。企業ステートメントの使命に掲げる“世のため人のため、他人(ひと)のやれないことをやる”のもと、化学を切り口にサステイナブルな社会の発展に向けた独自のソリューションを提案する。

 主な出展素材は、防滑繊維「フィブレスタ」(開発品)、フェノキシ樹脂製メルトブロー不織布(同)、衝撃吸収繊維「スパンドール」など。