特集 アパレル総合22秋冬(2)~企画&トレンド~/婦人服編

2022年06月23日 (木曜日)

〈オンワード樫山「23区」/シーズンレスな洋品投入〉

 オンワード樫山が展開する婦人服「23区」は、強みのあるベーシックアイテムのフォルムやディテールを見直す。22秋冬シーズンは、普段見慣れたアイテムにおいて「シルエットやスタイリングで、今らしさを追求する」方針だ。

 実用的なコットンや合繊素材のブラウスを強化し、ニットウエアやジレとのレイヤードを想定したデザインに仕立てる。冬、春まで着用できるシーズンレスなブラウスとして訴求。さらにTシャツ感覚で羽織れるニットトップスを提案する。

 今季のテーマである“プレッピー”を体現するブレザーやチノパンツ、ジーンズも素材やフォルムをアップデート。アウターではミリタリーテイストのブルゾンやツイード素材のニットウエア、ジレなどが強化アイテムになる。

〈フィールズインターナショナル「デッサン」/編み地変化に富んだアウター〉

 ワールドグループのフィールズインターナショナルが展開する婦人服「デッサン」は、米ニューヨーク郊外の街、ハンプトン地区に居住する人たちの週末を描き、編み地変化に富んだニットウエアやロゴスエットなどを打ち出す。

 紳士服や生活雑貨を含めたライフスタイルブランドとして訴求しており、ニューファミリー層をターゲットに今春夏シーズンの販売は好調。クリーンなカジュアルウエアは通勤着としても着用でき、汎用性も支持を集める要因になっている。

 チェック柄を軸にした商品群やオーセンティックなブレザー、コートを使ったスタイリングも特徴。婦人、紳士、子供服で共通素材を使用したトップスも多く、スエットは親子でリンクコーディネートができる。

〈ルック「スキャパ」/湖水地方の自然から着想〉

 ルックが展開する婦人服ブランド「スキャパ」は、イングランドの湖水地方から着想したドレスや重衣料を投入する。同地方の自然や風景、動物をモチーフにしたアイテムを展開。ウールリネン素材のジャケットを強化アイテムとし、22秋冬シーズンは通勤着やお出掛け着を増やす。

 同社では「通勤やカジュアルに対応可能な汎用性のあるジャケットを拡充する。8~10月はジャケットの豊富なバリエーションを訴求する」と説明した。ウールリネンやウールシャンブレーといった薄手のタイプや、ツイード素材でジャケットを提案。深みのある素材やカラーで構成する。

 グリーンのロングドレスやリバティプリントのインナーと合わせ、オーセンティックなスタイリングでまとめている。価格はウールリネンジャケット6万9千円など。

〈三陽商会「エポカ」/60年代調プリントに妙味〉

 三陽商会が展開する婦人服「エポカ」は、外出着の需要が高まると読み、ジャケットやニットウエアにシフトしたMDを組む。22秋冬シーズンは、エポカの強みである意匠トップスやプリントドレスを強化。昨冬は不足気味だったコート商材を増やし、サテンタフタ素材の中わたコートなども投入する。

 同社では「カジュアルに振った昨冬の反省を含め、強みのMDで再構築する」と話す。1960年代を想起させるオリジナルのフラワー柄を採用したドレスに加え、セレモニー対応のジャケット、ボトムスを提案。コートはダウンや中わたといった防寒コートも増やす。

 ニットウエアでトータルコーディネートができる商品ライン「ラ・マリア」では、立体的なプルオーバーやドレス、シャープなアウターをそろえる。

〈小泉アパレル「エレメントオブシンプルライフ」/焦点は汎用性と機能面〉

 小泉アパレルが展開するGMS向けカジュアルブランド「エレメントオブシンプルライフ」は、単品のジャケットやパンツを強化する。その際、軽量で汎用性のあるデザインを提案。さらにウオッシャブル仕様や防シワ加工といった機能を盛り込む。

 4、5月度の売上高は前年同月比50%増と好調。新型コロナウイルス禍前の2019年比で、8割を超える水準にまで回復した。外出着の需要が本格化し、強みのあるジャージー素材の単品バリエーションを拡充。同社では「売れ筋商品の再販や復刻も視野に入れている。フェアなどのイベントも増やしたい」(松澤友也営業第25部課長)としている。

 新型コロナ禍前と比較し「よりコストパフォーマンスが求められる」。価格は極力上げず、独自の素材調達力と生産背景で対応する。