東レ・繊維事業 成長と改革を同じ熱量で
2026年06月10日 (水曜日)
東レは8日、証券アナリストらを対象とした事業説明会を開き、2026年度(27年3月期)に始動した中期経営課題における繊維事業の施策などを示した。西村友伸常務執行役員繊維事業本部長は「成長戦略と構造改革の両輪で事業に当たる」とし、この二つに「同じ熱量で取り組む」と改めて強調した。
成長戦略は、「拡大」と「回帰」の二つの観点で進める。繊維事業の中核に位置付ける衣料用一貫型事業は成長拡大戦略を推進し、グローバルサプライチェーン(SC)運営の高度化や高付加価値素材の推進、新商品・新価値によるイノベーション創出によって持続的な成長拡大を実現する。
グローバルSC運営の高度化では、SCの深化・延伸を念頭に中国やインド、インドネシアの強化に注力し、設備投資を実施する。高付加価値素材は複合紡糸技術「ナノデザイン」で生み出す。ユニクロとの戦略的パートナーシップなどでイノベーションを創出する。
エアバッグ事業も成長戦略に力を入れる。需要地を軸とした最適な生産・供給体制の構築に加え、原糸から基布、縫製の一貫体制をさらに深化させることで、事業の高度化と収益力の向上を図る。また、素材開発の加速にも目を向ける。エアバッグ基布の需要は年率2・2%の拡大が見込まれる中、需要予測を超える成長を目指す。
人工皮革は、成長回帰戦略を進める。構造改革の対象となっているイタリアのアルカンターラは、固定費や比例費削減などに取り組むと同時に、主要自動車OEMとのダイレクトマーケティングをはじめとする成長拡大策を講じる。「数量は取れる。いかに安定した利益を出すか」とした。
ポリプロピレンスパンボンド不織布(PPSB)とポリエステル綿混織物は構造改革を推進する。PPSBは、衛材市場の成長鈍化に合わせた生産規模の適正化や適地生産の見直しの実施などで25年度に黒字化した。現中経では、差別化品開発や非衛材用途の拡大などをポイントに置く。
ポリエステル綿混織物事業は、紳士シャツ用途の需要縮小や新型コロナウイルス禍以降の事業悪化で赤字が続く。付加価値品のユニフォームやファッション分野への提案、コスト低減などで早期黒字化を目指す。各課題が想定通りに進まない場合に備え、踏み込んだ構造改革も検討する。





