ごえんぼう

2024年05月01日 (水曜日)

  経営者は孤独である。一般的に広く認知される説だろう。筆者は経営にはタッチしないが、経営者を取材することは多い。孤独を感じさせる言動をする社長が多いのは事実だ▼最終決定を自分一人で下し、上司の愚痴を言い合ってストレスを発散させる場もないのが経営者。大変な職だなと、話を聞いていて思う▼同業社長らと集まる組合という組織が繊維業界にも数多く存在する。そこでは同業同士で仲良く話している光景をよく目にする。しかし個別に話を聞くと、仲が良いことは認めつつ「社業や経営のことには一切触れない」のが普通なのだと言う▼仲良くは話すが実は腹の探り合い。記者には「あそこは実際どうなの?」などと熱心に聞いてくる。記者は可能な範囲で答える。業界紙記者は一種の媒介役と言える。おそらく、腹の探り合いばかりでは疲弊はしても孤独は埋められない。そんなときは媒介役に愚痴なり相談を。