海上水輸送試験で「ベクトラン」採用/クラレ
2007年02月28日 (水曜日)
クラレのポリアリレート系繊維「ベクトラン」が、淡水を注入し海上をタグボートでえい航する水輸送用バッグの海上水輸送試験素材に使用された。
この海上水輸送試験は、日本で初めて行われるもので、水資源機構と日本郵船関連会社のMTI(東京都千代田区)が共同で実施する。
ベクトラン採用は、これまで水産資材分野のロープ・魚網、被覆材・膜体などへ使用されてきた実績と性能がMTIに評価されたもの。水輸送用バッグはベクトランとウレタン樹脂の複合素材からできており、サイズは全長44メートル、幅10メートル、深さ4メートルで約1000立方メートルの容量がある。海上輸送試験は、3月2~5日までの日程で行われる予定。
ベクトランは高機能繊維として優れた低クリープ性・非吸湿性・極低温下での高強力物性、耐湿磨耗性など、他のスーパー繊維に見られない特徴を持つ。クラレは生産設備増強を進めており、07年10月には現在の年産600トンから、1000トンへと供給体制を強化する。