東レ、東レ経営研究所/繊維産業シンポ開く
2007年03月13日 (火曜日)
東レ、東レ経営研究所は9日、石川県金沢市で「繊維産業シンポジウム」(テーマは北陸産地の復権を目指して)を開催した。東レの武田敏之取締役、デザイナーであるノーツの田山淳朗常務、タビオの越智直正社長が講演し、関係者含め約550人の来場者を集めた。
東レの武田取締役は「東レの繊維先端材料開発状況と今後の拡大戦略」をテーマに、ナノファイバー、ポリ乳酸(PLA)繊維、バイオ法によるPTT(ポリトリメチレンテレフタレート)繊維、溶融紡糸セルロース繊維「フォレッセ」の現況、将来性を紹介した。ナノファイバーでは長、短繊維やスパンボンド不織布でも技術確立済とし「昨年12月から東レ合繊クラスターのナノテク分科会に原糸提供した」ことを明らかにした。その他、フォレッセも今年1月から天然由来繊維分科会に原糸供給を行なっているという。PLA繊維では弱点とされる磨耗性の向上や加水分解抑制、高温化での力学特性の向上などの技術開発について説明した。
ノーツの田山常務は「欧・中・日のファッションの方向性」と題し日・中・イタリアのSPA(製造小売業)の違いなどを紹介。SPAの究極は「クイックレスポンス」としながらも、流行の変化が早く対応しきれていないと指摘。現在では年間の流れ、立ち上がりの展開時期、モチベーション、セール、価格などの予測や計画のたのSPAに変わっていると述べた。
休憩を挟み、講演したタビオの越智直正社長は1968年のダンソックス創業から現在に至るまでを笑いを交えながら紹介するとともに「中国、インドにも負けないモノ作り」とのテーマに沿って、「メードイン・ジャパンは世界に冠たるブランド」と強調。さらに「購入側が強い商いはするな。販売側が強い商いができるようなモノを作れ」と参加者にげきを飛ばした。