ひと/東レの機能製品・縫製品事業部門長に就いた・田中和宏氏
2007年04月12日 (木曜日)
ライン、スタッフ経験生きる
4月に新設した機能製品・縫製品事業部門長として、東レグループ縫製品事業におけるコントロールタワーの役割を担う。入社以来、ニットスポーツを中心に営業畑を歩く。1997年に繊維マーケティング部に移って以来、この10年間はスタッフ業務。「ノルマから解放されたが、月末のプレッシャーがなく、何となく頼りない」と当初は戸惑った。マーケティング業務は常に継続。「自分の中で_締め_を作ることに苦労した」と言う。
今回、部門長という立場ながら10年ぶりにノルマを背負う。ユニフォームの生地、製品を行う機能製品事業部を傘下に置くからだが「入社以来、28年間は営業だったわけで、違和感はない。むしろ攻めていく」と意気込む。
同部門は繊維事業本部では唯一、縫製品事業企画推進室というマーケティング業務も担当するが、ライン、スタッフとも経験済みの田中氏は適任かもしれない。
1年強務めたスポーツギア事業室長では衣料から離れ、靴、手袋、ヨットセール、パラグライダーなど各部のスポーツ資材をまとめて販売対応したが、それまでの衣料とは全く異なる世界を経験し「顧客開拓に取り組んだ」。新部門として課題の一つとするスポーツの欧米メガブランドへも衣料ではないが、その時に関係を築いた。その面では新ビジネス作りは得意。
「最初は面食らった」という繊維マーケティング部長時代以後も業界対策として、東京のアパレルをはじめとして業界団体との付き合いの中で顔を作ってきた。「実際に商いはそれほど多くない」ものの、プレゼンスは高まったと自負する。
今回、グループ縫製品事業の舵取りを任されたが「顧客のニーズをくみ上げて素材開発につなげることが最大のテーマ」として、あくまでも素材から一貫生産を重視すると、素材メーカーらしさを追求に全力をあげる。
たなか・かずひろ
1970年東レ入社。94年スポーツギア事業室長、95年スポーツ衣料事業部長、97年繊維マーケティング部長、2003年新流通開拓室長、07年4月に機能製品・縫製品事業部門長。59歳。大学までは卓球部所属だけに趣味はスポーツ。やるのはゴルフだけだが、観戦は様々。その他マージャンと推理小説などの読書。