テンセル=環境=ファッション 具体化へ

2007年04月27日 (金曜日)

豊島十部/テンセルベースに幅出

 豊島十部はテンセル会の商材とともに十数年が経過する。「テンセル会」ともリンクしながら、テンセルをベースに短繊維織物の企画―生産―販売活動を行ってきた。すなわちテンセル原綿―糸・テキスタイル(織り・加工)作り―販売という組み立てをベースにして展開してきた。

 近年はトレンドの変化や、顧客ニーズの変化により、同部では顧客満足度をどう高めるかを課題にした取り組みを強めている。 テンセルをベースにしながらも、テキスタイルのレパートリーを広げ、ビジネスの一層の幅出しに注力してきた。

 現在はテンセル商材の商量を維持しつつ、他分野への幅出しによって、十部の商権拡大に努めている。

 その結果、短・長繊維の織・編み物を展開するセクションとなった。また、国内はもとより輸出振興と相まってのビジネス構築も進化させてきた。テンセルで、培った「モノ作り」のノウハウや、生産チームとのリンクによって、特化したテキスタイル作りなどの専門性を一つの売りにしている。

 今年度のテンセル会の活動方針ともリンクしており、「地球環境と人に優しいテンセル」訴求のための具体的な商品作りや、販売ルート設定にも積極的に参画していく方針である。

 具体的には、環境に優しい繊維との組み合わせとしてオーガニックコットン、リサイクルポリエステルとの複合、差別化商品との組み合わせとしてキュプラ・麻・シルクと複合した素材に、加工の進化をプラスした新しいタイプのテキスタイル作りに注力することによって、テキスタイルで求められる「豊島十部」の顔作りを着実に推し進めていく方針だ。同時に“テンセル原点回帰”をベースにした、テンセルの研さんも積み上げていく方針である。

倉庫精練・第一事業部/環境・エコロジー対応重視

 倉庫精練・第一事業部のテンセル比率は約40%で、加工量、加工売り上げともに一定のシェアを占める。このほかでは、旭化成せんいと旭化成せんいグループや商社からの発注を受ける。テンセルテキスタイルの加工については豊島十部とリンクしており、豊島十部と倉庫精練が常にベクトルを合わせ、開発をはじめテンセル進化への業務を推進している。

 テンセル関係の06年度における同社のヒット加工品として、表面にナチュラル感のあるタンブラー仕上げの加工商品がある。同加工品はカジュアル・ブームのなかで、シワ加工より落ち着いたクラシック感のあるテキスタイルに仕上がっており、キャリアゾーンに売れた。

 また、ポリエステルレーヨン混の2ウエー加工は、レディースキャリア向けの固定ユーザー用の継続品だが、リピーターは多い。カラーマジックは顔料コーティングに洗い加工(原反で)したもので、テキスタイルはテンセル複合別珍だが、レディースキャリア分野に広く採用されている。

 環境・エコロジー対応の取り組みを早くから行ってきた同社には、無公害繊維、環境繊維をより多く加工するという基本理念が息づいている。したがってセルロース繊維、再生繊維、精製セルロース繊維を多く染め加工する。具体的には、テンセル、ベンベルグ(キュプラ含む)、レーヨン、綿×麻など天然繊維素材テキスタイルに特化した加工場作りを目指している。染料、薬品についても、草木染め用の染料、天然糸に由来した仕上げ剤の活用を広く研究・開発し、一部試験として実施しているケースもある。

 また、ポリウレタン弾性糸を使わないストレッチ商品の開発も一つのテーマに掲げる。テンセル素材を生かし、ポリウレタン弾性糸を全く使わないストレッチ加工品(「テスタ」)は、その一つで、これをさらに進化させる研究も行われている。

 エレガント回帰に向けカジュアルとMIXしたテンセル×ベンベルグ短と長の複合素材のニドム加工やクリア加工によって、同社の特徴を生かした加工対応を行う。

モーリタン/独自技術で素材提案

 モーリタンの2007年度開発方針を述べさせていただきます。テンセル会は「テンセルをコアとしたビジネスを通じて地球環境に貢献する」という理念を軸に活動すると発表されました。弊社はテンセル会の中にあってジャージの企画、開発を担当しており、この軸に沿った開発を中心に行っていこうと考えています。

 開発の方向性としては、テンセルがナチュラルでエコな素材であることを生かして、空気や水の流れを感じさせる自然との調和を意識した素材を開発、提案したいと思います。

 具体的な開発手段としては(1)弊社の独自技術であるストレイン加工(セルロース繊維改質加工)を応用して弾性繊維なしでストレッチ素材を開発し、テンセルの持つ実力を十分に引き出すことに注力(2)マイクロテンセルとキュプラなどの肌に優しい他素材との複合効果でテンセル100%よりも一段と肌に優しい触感、美しい外観の表現(3)自然志向型の染色加工技術(カテキン染め、純粋シルクプロテイン加工など)を施した生地の開発(4)ファッション性追求の観点から輝きのある素材複合(5)撚糸技術を駆使してプレーンな組織に表面変化を付与し新しい価値を生み出す――といったところです。

 企画力と加工技術の組み合わせによって、他ではまねのできないモーリタンならではの素材を提案していきます。今年はレンチング社主催の生地コンテストがありますが、モーリタンは5つのカテゴリーのうち肌への優しさに関する部分が得意分野になると思います。スタンダード原綿、LF原綿、マイクロ原綿、それらと綿やその他セルロース系繊維との複合で素材別に異なったバイオ加工を施すなど、技術力でチャレンジしていきます。どのような評価を得ることになるのか心配であると同時に楽しみでもあります。