旭化成せんい「サイバロン」開発進む

2007年07月13日 (金曜日)

 旭化成せんいがポリケトン繊維「サイバロン」で商品開発を加速している。2009年度上期中の本格事業化に向けて、タイヤなどのゴム資材、手袋など保護具、橋脚補強などFRC(繊維補強コンクリート)に加え、FRP(繊維補強プラスチック)やスポーツ資材でも開発が進む。パイロット設備(年産20トン)に加え、6月にはパルプ化する加工機も導入した。

 エチレンと一酸化炭素を原料に湿式紡糸により生産するサイバロンは既存の高機能繊維に比べて「リーズナブル」な点が特徴。初期段階はパラ系アラミド繊維並みの価格だが「将来的には安くなる」と福田康男サイバロン事業推進室長は言う。

 現在、ゴムとの接着性の高さを生かしタイヤ、ホースなどを主力用途に見据えるが、その他でも開発が進む。とくに、FRPでは「炭素繊維やアラミド繊維とは異なる特性があり、例えば炭素繊維と組み合わせることで、炭素繊維の弱点である耐衝撃性を補うことができる」と手応えを示す。耐衝撃性の良さを生かし、テニスのガットなどスポーツ資材の研究も進める一方、現在は本格事業化に向けて、量産化技術の確立に取り組む。

 本格設備は年産2000トン設備の導入を明らかにしているものの、重合と紡糸の能力は分けて紡糸能力は段階を踏む見通しだが、他の高機能繊維同様、世界市場をターゲットにしており、本格設備は日本にこだわらない考え。先ごろ独フランクフルトで開催されたテクテキスタイルにも出展。約20社の企業とミーティングも行い、海外市場の開拓も活発化している。

 グループ企業である旭陽産業(福井市)、旭化成商事(大阪市北区)とも連携する。旭陽産業は生産中心、旭化成商事はペーパーなど高付加価値品の開拓に取り組むが「他の商社とも各用途ごとに強い企業と組みながら展開する」意向だ。