この人に聞く 伊藤忠商事/山口潔課長

1999年10月29日 (金曜日)

 米国で話題の下着ブランド「ジョーボクサー」が日本に上陸する。米国ではユーモアセンス溢れるデザインとともに、創業者ニコラス・グラハム氏のパフォーマンスや新しい販売手法が話題を集める。「もっと下着を楽しく」をコンセプトに日本上陸した「ジョー・ボクサー」は日本の紳士肌着市場を変えるだろうか。日本でのブランド管理を行う伊藤忠商事繊維カンパニーの輸入繊維事業部輸入繊維第四課・山口潔課長に聞いた。

--「ジョー・ボクサー」とはどんなブランド。

  ユーモア感覚と斬新なデザインを男性下着の世界に持ち込み、男性下着のイメージを一変させるマーケティング戦略で急成長した。オーナーでデザイナーであるニコラス・グラハム氏が八五年に創業し、現在では米国で最も人気のある男性下着ブランドだ。常に新しい販売手法を取り入れ、話題性のあるイベントを開催するなどパフォーマンス性がある。ガアガア鳴くトランクス、膨らむトランクス、暗闇で光る下着など「楽しい」下着を作る。

--四課はカジュアル衣料系のブランドを多く扱っている。紳士下着ブランドの展開を始めたのは、なぜ。

  なんの変哲もない紳士肌着の売り場に革命的なものを提供したかった。私は昨年の十月まで、米国に六年間駐在していたが、今米国では内面的な楽しみを追う傾向が強い。ベッドシーツやカーテンなど室内装飾品や下着といった自分で楽しむおしゃれを好む。日本でもバブル経済崩壊後の長い不況を克服したら、米国のように内面の充実を図ると思う。日本の景気にも薄明かりが見えてきた。「ジョー・ボクサー」という遊び感覚の強いブランドに先行的に投資して、市場の変化に備えている。

 --今後の展開は。

  今年の十二月から紳士肌着を福助さんと提携して先行的に発売する。次に婦人・子供インナー、カジュアル、ホームテキスタイルといった分野にライセンスを広げたい。三年後にはブランドグループで三十億円規模にはしたい。とくに、米国でも伸びているホームテキスタイルの分野には期待している。いいライセンシーを見つけて供給したい。