平井ユニチカ新社長が抱負/収益力強化を最重視

2000年04月03日 (月曜日)

 ユニチカの新社長、平井雅英氏は三月三十日、就任に先立ち勝匡昭社長(現会長)とともに記者会見し、「グループ全体の収益力底上げとフィルム、スパンボンドなど集中すべき事業の拡大に力を注ぐ」と抱負を述べた。

 勝氏は社長交代を決断した理由について、二期四年という区切りであるとともに、九八年度下期から取り組んだ「企業体質強化のための総合対策」が計画通り進んでおり、最終年度である九九年度中に次期中期計画を策定することを指摘。「計画立案はそれを実行するメンバーでやるべき」と語った。

 同社の社長交代はこれまで、定時株主総会の六月末が慣例だったが、「重要な『総合対策』最終年度上半期の半分が終わってしまう。年度初めから新体制に代わるのが望ましい」ため、四月一日付に早めた。

 在任中の四年間を振り返り勝氏は、「(前任の田口社長から引き継ぐ際に)土台作りは終わった。これからはその上に家を建ててくれと言われたが、その後の景況悪化で土台の作り直しに追われた。でき上がった土台は相当堅固なものだ。新社長には今度こそ立派な新しい家を建ててほしい」と期待を表明した。

 これを受けて平井氏は「収益力アップが最も大事」との認識を示し、〝準コア〟と位置付けるユニチカファイバー、ユニチカテキスタイルの安定収益体制構築を重視するとともに、フィルム、スパンボンドなど本体のコア事業を「増設も視野に入れて」拡大強化する考えを明らかにした。

 二〇〇一年度から始まる次期中期経営計画は、常勤取締役八人で構成する「経営戦略委員会」で討議し、夏から秋にかけて決定する。

 また勝氏は代表権のある会長についたが、六月末には代表取締役から外れ、代表権は平井社長と江藤紀海副社長の二人が持つことになる。