日本紡績検査協会/試験対象商品広がる
2000年04月05日 (水曜日)
日本紡績検査協会(ボーケン)の関口英夫理事長は「繊維業界が厳しい中で検査機関としての在り様を自覚して、二十一世紀も業界の発展に寄与できるようにやっていこうと役職員の意識固めはできた。ISO9002認証取得もバネになっており、当協会にとってはエポックだった」と語る。
ボーケンは四八年に設立。
一昨年創立五十周年を迎え、九九年からは新五カ年計画をスタートした。同計画での経営理念は「繊維品の試験・検査を通して生活文化の発展に寄与する」というもの。ISO9002認証取得もその一環。
当初、ボーケンは輸出全盛の綿糸、綿布の検査機関として活躍するが、輸出の減少に伴い業務内容は徐々に変化。当初の検査一本から各種試験へと移り変わっており「現在は試験オンリー」。その対象も原糸、織・編み物にとどまらず、衣料品にも広がる。
さらにインテリアや鞄、かばん、傘など生活資材も手がけ始めており、需要があればこうした非衣料関係の試験も増やしたい意向。
昨今、重要度が高まっている環境、衛生、安全、リサイクルなどの性能分析にも対応する研究も始めた。昨年にはウールマークのライセンスを取得。試験内容の幅も広げているが、これに対応し「人材の育成、分析機器を充実する」と言う。そのためにも「財政基盤を強固なものとし、繊維メーカーの要望にいかにスピーディーにこたえるかが重要」と説き、ITを視野に入れた顧客サービスの充実、インターネットの活用、ホームページの充実、電子データの提供も行い、顧客満足度を高める考えだ。
また、「上海出入境検験検疫局」はじめ、韓国、香港、スウェーデンなど海外の公的検査機関との提携も積極的に進めており、グローバル化対応を進めている。