アスペロ綿/軽くてバルキー性
2000年07月06日 (木曜日)
多くの紡績が来春夏の重点素材として取り上げるアスペロ綿。ペルーの山岳地帯で多年生の樹から採れる中長繊維綿で、繊維が極めて太いという特徴を持っている。紡績可能品種の中で最も太い綿花で、高度な紡績技術を要する上に異繊維混入の問題も多いが、日本の紡績の高度な技術を生かして各社が商品化に成功している。
アスペロ綿を使ったテキスタイルは軽くてボリューム感があり、バルキーでウールのような風合いも持ち合わせる。また、コシが強く弾力性もあり、発色性にも優れる。「最終商品にはっきりと影響のある綿花」(クラボウ)と言える。肥料をほとんど用いずに育つという環境に優しい面も持っている。
クラボウはこのアスペロ綿を数々の差別化原糸の中でも展開、芯にアスペロを用いて、鞘にタンギス綿を使った「ブレンディックス」など様々な差別化原糸に使用する。紡績差別糸や織り・編み・加工での付加価値化に則して原綿の特徴を当てはめていく方向である。
また、ダイワボウは他の綿花と混紡せずに、アスペロ綿を100%使った「アンデスコット」を展開する。テキスタイル販売だけでなく糸売りも行う。糸種は5、8番など太番手中心の展開で、20番までをそろえている。