伊藤忠モードパル/業態転換成る
2000年07月18日 (火曜日)
伊藤忠商事の子会社でアパレル商社の伊藤忠モードパル(東京、宮脇俊夫社長)は、対SPA(製造小売り)向けアパレル製品供給で企画・素材提案を強化する一方、保有するキャラクター商品を中心に、小売直販ルートの開発を本格化する。
小型の商社だった同社は原糸販売からユニフォーム、学販衣料、カジュアルまで手掛けていたが、赤字体質から抜け切れず、九九年四月に本社を東京へ移転するとともにSPA向けで評価されていた「カジュアル」に的を絞るなど事業内容を一新した。
現在はフランドル、ワールド、イトキン、アトリエサブなど有力SPA型アパレル向けに、婦人布帛製品を主体にOEM供給する業態に転換、年商百二十億~百三十億円規模の取り扱いとなった。
社員は営業・生産管理を中心とする五十二人と縫製工場の宮城工場五十人を合わせ百人強。布帛九〇%、婦人物八五%の構成で国内生産一〇〇%の体制でクイック生産を売り物にアパレル商社としての機能充実に取り組んでいる。
二〇〇二年度に向けて、同社は(1)独自の企画・素材提案力の強化(2)小売直販ルートの開発―に取り組み、年商百五十億円、経常利益三億円を計画する。単純なOEMからの脱却を目指す「攻めのOEM」(宮脇社長)を志向する。また、所有する「ポパイ」「鉄腕アトム」などのキャラクター版権を活用した小売店向けの企画製造・直販を強化、百貨店PBを含めた流通開発に取り組む。
一方、国内生産を主力にしながらも中国など海外生産拠点の開発に着手、昨年十月に専任チームを発足させるなど体制整備を急ぐ。宮脇社長は「ニットは親会社の伊藤忠・ファッション事業部がノウハウを蓄積しており、当社の布帛での強みを合わせ、連携しながら顧客対応を進める」と話す。