丸山伊藤忠ファッションシステム社長/イタリアは多極分散型
2000年08月02日 (水曜日)
イタリアの専門学校は日本とだいぶ違う。日本の都市一局集中ではなく、イタリアは多極分散型。生まれ育ったところで働いて一生を終えるのが普通で、学校に入る前からどの企業に行くのかが分かっている。反対に大学を出てファッションビジネスに入る人なんていない。
海外ブランドには大きな変化がある。日本の消費者にとって変わらず人気のブランドがある一方、人気急降下のブランドがある。海外では「H&M」「マンゴ」「ザラ」など一般が買いやすい価格のブランドが台頭している。当社では「JFK」という企画ブランドがある。何も「ケネディ」とは関係がない。「ジャパン・ファブリック企画」の略であり、海外有名ブランドで生地セレクトするテキスタイルデザイナーに直接サンプルを渡しているが、その反響たるやすごい。日本素材への海外客の認識は想像を超えている。当社にとって大きな顧客は繊維ではなくて、自動車のホンダやトヨタ、家電のシャープ、化粧品の資生堂になっている。ファッションは繊維だけではない。
グローバル競争社会で、IT(情報技術)は、英語とともに競争の手段になっている。