不織布大手/中国市場開拓に本腰
2007年11月02日 (金曜日)
不織布製造大手が中国市場の開拓に本腰を入れ始めた。「国内市場が成熟化する中で、事業を拡大するには輸出強化が不可欠」との判断だ。その仕向け先の一つとして中国にも狙いを定める。先月22~24日、中国で開催された上海国際不織布見本市(SINCE07)には旭化成せんい、ユニチカが初出展し、東レ子会社のトーレ・セハン(TSI)も2005年に続いて2度目の出展を行った。これも輸出強化の一環だ。ただ、来年2月から中国でポリプロピレンスパンボンド不織布(SB)生産を開始し内需を狙うTSIとは違い、2社は現在のところ、中国に生産拠点を持たないだけに、欧米輸出の加工拠点として位置づけるなど中国戦略には違いがある。
欧米輸出の加工拠点に
SINCEはアジア不織布協会に加盟する中国不織布技術協会の主催によるもので、2年に1度の開催。今回は12回目になる。日系企業では3社のほか、金井重要工業、王子キノクロス、日本ノズル、化繊ノズル製作所なども出展した。
旭化成せんいはスパンボンド営業部による出展で、新不織布「プレシゼ」、熱成型ポリエステルSB「スマッシュ」、活性炭複合ポリエステルSB「セミア」のほか、得意とする低目付のナイロン(10グラム)、ポリエステル(12グラム)SBを出品。「SBで目新しいものがなかっただけに、プレシゼをはじめ予想以上に好評だった」と雛元克彦スパンボンド営業部長。例えば低目付SBに対しては「来場者が関心を示す一方、価格を聞いて(その高さに)さらに驚いていた」という。
ユニチカは綿100%スパンレース不織布(SL)「コットエース」をメーンに、タイのポリエステルSB製造関連会社、テイジン・ユニチカ・スパンボンド〈タイランド〉(TUSCO)と、コットエースの原料になる晒し綿を供給する衛材製造の丸三産業(愛媛県大洲市)との共同出展。レーヨン短繊維、同短繊維製SLが高騰し玉不足のなかで「コットエースに対する関心が最も高かった」(万代典昭スパンレース営業グループ長)とする。
両社とも200社を超える企業と話し込めた。どの程度が商売に結びつくのかは不明だが、手応えを感じた様子。実は旭化成せんいのスパンボンド営業部が中国の不織布関連展示会に出展するのは初めて。現在、中国はもちろん、同部の輸出量は微々たるものに過ぎないが「今後の事業拡大には海外がメーンになる」と雛元営業部長。貿易担当者を欧州中心に出張させており、SINCEにもこうした欧州企業が同社ブースにやってきたという。
そのためにも「原反だけでは無理。輸出するからこそ、自らかかわることが必要」と後加工拠点構築の重要性を強調。その加工品を中国だけでなく、欧米へ結びつける考えを示す。
カーペット基布用ポリエステルSB中心に、中国では敷物展示会のドモテックス・アジアに出展していたユニチカもSINCEは初出展だ。現在、コットエースの輸出比率は韓国中心に10%程度。万代グループ長も輸出を増やすうえで「中国内需だけでなく、欧米輸出のコンバーターの開拓が必要」と指摘する。同時に、中国でも綿100%SLを生産する企業があるだけに「品質や安全性など付加価値の高い商品でないと、見向きもされない」との見方も示す。
来年2月稼働のTPNアピール/東レグループ
こうした2社に対し、05年に続いて2度目の出展となるTSIは今回、来年稼働する中国でのポリプロピレンSB製造子会社、東麗高新聚化〈南通〉(TPN)のアピールが主目的。柔軟加工品や差別化SBなどを出品したが「TPNに対する期待と手応えを感じた」(TSIの福田重人常務理事)という。
現地生産を行い、紙おむつ用が主力のTSI+TPNだけに、旭化成せんい、ユニチカとは中国戦略には違いがあるのは当然。ただ、少なくとも世界最大の不織布生産国を自負する現地企業で戦うためには、違いをいかに欧米も含めた顧客に納得させられるかにかかっている。




