三菱レイヨン「コアブリッドB」/導電アクリルを開発

2007年12月21日 (金曜日)

 三菱レイヨンはアクリル繊維の湿式芯鞘複合紡糸技術による導電アクリル短繊維「コアブリッドB」を開発した。・高い導電性と耐久性能・アクリル繊維の特徴であるワイピング性能と耐候性・短繊維であるため不織布や紡績糸の製造が容易になる――などの特徴を持ち、静電気発生を抑制する効果を生かして、衣料用以外の分野へ投入する。

 湿式紡糸による芯鞘複合技術は、溶液状態で複合構造を形成するため、機能性を持つ材料を高濃度に添加することが可能。この技術によって芯部分に導電粒子を大量に練り込むことで導電粒子間の距離が短くなり、高い導電性が得られる。

 繊維導電性能は短繊維抵抗値(ドータイト法)で010~210Ωセンチ/1000V(3・3デシテックス)。不織布では摩擦帯電圧500V以下、摩擦帯電電荷量1μC/平方m以下で、電圧100Vでの通電も確認しているという。アクリル繊維の湿式紡糸で芯鞘複合紡糸技術を有するのは世界でも同社のみだという。除電性が必要なブラシ、マット、ワイパー、フィルターなどのほか、ショートカットタイプの生産も可能であるため湿式不織布(機能紙)や樹脂への添加など幅広い展開を狙う。