年頭所感

2008年01月08日 (火曜日)

繊維貿易の自由化に期待/日本紡績協会会長・坂元龍三氏

 昨年11月、我が国とアセアンとの包括的経済連携交渉が妥結した。これらの地域に多くの投資をしている我が国繊維産業にとって、新たな自由貿易圏の誕生が繊維全体の活性化につながるよう、大いに期待したい。昨年5月には繊維産業の新しい中期ビジョンが策定された。繊維産業全体としても、個別企業としてもこのビジョン実現に努力しなければならない。国内紡績が縮小するなか、蓄積された技術をいかに維持・向上するかという問題がある。紡績協会として実施してきた各社合同研修やセミナーを今年も充実させる。

ウールの出番/日本羊毛紡績会会長・谷 賀寿則氏

 原油高や原料価格の大幅な上昇や、一昨年来の羊毛価格高騰も加わり、羊毛業界にとっては厳しい環境にある。豪州では産毛量予測も減少が顕著で、羊毛価格の軟化は考えがたい。しかし、プラス要因もある。ひとつは、ザ・ウールマーク・カンパニーとオーストラリアン・ウール・イノベーション(AWI)の経営統合により、ウール・プロモーションが再開されることだ。もうひとつは、消費者の環境意識の高まりであり、天然繊維であるウールの出番ではないだろうか。

どんな苦境でも前向きに/日本染色協会会長・三田村庄一氏

 干支の子にあやかり「窮鼠猫を噛む」と居直って諸問題に取り組みたい。どんな苦境の中でも自立心を失わず前向きにチャレンジしていきたい。染色業界は加工数量の減少が続いている。原油をはじめ、エネルギー価格の高騰に伴い大幅なコスト上昇を余儀なくされているにもかかわらず、染色加工料金への転嫁が十分できていない。加工料金は3度にわたる記者発表などで理解は得られつつあるが、今後とも再生産、適正なる評価に向けて取り組んでいく。

試練乗り越えカーペット復権/日本カーペット工業組合理事長・近藤貞彦氏

 原材料価格高騰や改正建築基準法施行に伴う住宅着工件数減少など、厳しい業界環境を試練と受け止め、一層気を引き締めた消費者視点の対応が肝要だ。需要振興に向け、カーペットの良さを訴える「カーペットルネッサンス」を展開。「ジャパンテックス07」ではカーペットの正しいメンテナンスを訴え、海外市場調査として「ドモテックス・中東」(ドバイ)に赴いた。また、技能研修生の受入制度導入、WCRC、ISO国際会議参加を推進。組合誕生50周年を迎えるにあたり「日本カーペット工業史」を編集、発行する。

新ビジョン策定の年に/日本バイリーン社長・菅野光雄氏

 本年は、「新製品開発」「国内事業の収益力向上」への努力と、とくに海外事業を担う人材の育成に注力していく。また、2年後の創業50周年を目指しグループの新たな事業ビジョン策定に着手する。4月から内部統制監査が連結決算のグループ会社全体に義務付けられ、関係各社の総力を結集してさらなる企業価値向上へと全力を傾ける。一方、原材料価格の高騰、米国経済の減速、為替変動など懸念材料もあり、一層の生産効率向上や経費削減などの自助努力を図っていく。同時にユーザーの理解を得て価格転嫁を推進する。

創立60周年、新生蝶理へ/蝶理社長・齊藤圭史郎氏

 原油高など不安定要因を抱えた環境下であるものの、半面ビジネスチャンスでもあり、情報収集をしっかり行い、得意分野で着実に事業拡大を図ることを期待する。今年9月に創立60周年を迎え、これまで必ずしも順調に成長してきたとはいえないが、全社一丸となった改革を断行した結果、再建完了を宣言できるところまで復活した。過去の苦しい経験を忘れず今後に生かし、新生蝶理として新たなスタートする区切りの年。「躍進2008」の基本戦略で示した「高機能・高専門性を基盤とした常に進化する企業集団」を目指す。

目標達成に最大限努力/NI帝人商事社長・森田順二氏

 今年4月から中期経営計画の最終年度を迎えるが、環境変化を見据え、やるべきことを計画に盛り込み、目標達成に最大限の努力をして頂きたい。計画の基本方針を「富国強兵」ということばで説明すると、「富国」は「企業の持続的成長」であり、「強兵」が「経営基盤の強化」。経営基盤の強化では「コアコンピタンスの強化」「経営インフラの強化」「人材の育成」を掲げている。これを進めることで「秩序ある持続的成長」が必ず実現できると確信する。「仁」すなわち「思いやり」を大切にし、明るい温かみのある年にしたい。

環境対応商材積極的に展開/スミノエ社長・谷原義明氏

 「業界の先駆者としての誇りを持ち、ゆとりある個性豊かな居住空間を創造する」という企業理念に基づき、高付加価値型、とりわけ環境対応商材の開発を積極的に進める。業界に先駆けて発売したサイクル消臭機能の「トリプルフレッシュ」も10年目を迎え、着実に成果を上げ、エコマーク新基準に適合したタイルカーペット「スミグリーンSG300」、自社ファイバー「スミトロン」使いのピース、ラグも好調に推移している。今年も「環境に強いスミノエ」をキーワードとして積極的に推進する。

70周年に新中計/JUKI社長・中村和之氏

 創立70周年の年、2008年が始まった。04年から3年連続最高益を更新し、今期も上期業績の好調を受け年間の経常利益目標は達成できる見込みだ。08年度からは次期中期経営計画がスタートする。また創立70周年記念事業そのものである新社屋も着工する。経営環境が厳しくなり最高益を更新し続けるのは難しいかもしれないが、利益目的のために社会的規範をないがしろにはできない。信頼され必要とされる会社であることを合言葉に、この1年を頑張りたい。