北京で繊維展ラッシュ/インテキ北京からJFF、TGCまで
2008年03月27日 (木曜日)
北京五輪を前に、3月下旬の北京では、糸からテキスタイル、アパレル製品まで繊維関連の各種展示会、イベントが開催される。きょう27日から始まるのが「インターテキスタイル北京」。あすからは「CHIC2008(中国国際服装服飾博覧会)」が開幕する。そのほか、糸の国際見本市「ヤーンエキスポ」、29日には中国インターナショナルファッションウィークで、「旭化成・中国ファッションデザイナークリエイティブ大賞」のファッションショー開催など、北京から世界への発信が勢いづく。
中国国際展覧センターで29日まで行われる「インターテキスタイル北京2008」。昨年の出展者数は893社だったが、今回は1100社以上と、その規模は年々拡大する一方だ。しかし、日本からの申し込みは減少傾向をたどる。前回の8社から、今回は宇仁繊維、大阪栄光貿易、サンウェル、サンファッション、ニチメンファッションの5社となった。
ジェトロが秋の「インターテキスタイル上海」への参加を見送るなど、国のテキスタイル輸出への支援が危ぐされる。しかし、「上海の現地法人に備蓄し、1巻(30~50メートル)の注文にも応じる」(サンウェル)、「900品番の婦人服地を備蓄販売するが、今回は小ロット即納機能をアピール」(宇仁繊維)と、これまでの輸出経験を生かして、より現実に対応した販売方法を構築する企業もある。
あすから31日まで中国国際展覧センター(新館)で開かれる「CHIC2008」には、日本パビリオンが設けられる。ジェトロが主催する「ジャパンファッションフェア(JFF)・イン北京2008―CHIC」がそれだ。アパレルを中心に37社・団体が出展。また、28日夕には東京ガールズコレクション実行委員会主催の「東京ガールズコレクション(TGC)in北京2008」も同センターで開催される。
「JFFイン北京」は「カレイドスコープ・シティー」をコンセプトに、過去最大規模での出展となった。「JFFも4回目となれば、中国で何をやったかではなく、変化の部分をどう打ち出すかがポイントになる」(ジェトロ・栗田宣文海外見本市課長)と、バイヤーにインパクトを与える展示会を目指す。
出品者側も「今回は会場も新しく、こけら落としとなる。出品企業の目的は様々だが、日本のファッションをアピールしたい」(日本アパレル産業協会・中瀬雅通JFF実行委員会委員長)とし、中国進出の道筋への契機に利用していく考えだ。
大手アパレルは2年ほど、店舗数を拡大する戦略から、各店舗の採算を基本にした基盤整備に転換してきた。素材・副資材の現地調達、現地企画の増にも取り組み、ようやく拡大路線に戻ろうとしている。市場調査から実商談まで目的は異なっても、北京から中国市場全体への発信に期待は大きい。
「TGCin北京」は28日午後5時半からの開演。橋本麗香、長谷川潤さんら人気日本人モデル4人に、中国人モデル20人が加わり、日本の9ブランドのリアルクローズを披露する。今回は中国のショッピングサイト「Style―age.com」を運営する上海時格商貿の協力により、中国未進出ブランドの商品を日本から発送することが可能になった。中国市場において初の販売連動イベントとなり、ビジネス色が強まった。