東レ/逆転発想の新素材 「フレックススキン+」開発

2008年06月19日 (木曜日)

 東レは、逆転の発想で製品から「このような素材があればいいのに」との考えから生まれた織物「フレックススキン+(プラス)」を09秋冬から投入する。ポリエステル織物でありながら4ウエーのストレッチがあり、抜群の軽量感を実現。すでに大手スポーツブランドからの引き合いもあるという。

 通常のニットやポリウレタンの4ウエーのストレッチ素材の場合、1メートル当たり200グラム以上の重さがあるが、フレックススキンは120グラム前後と超軽量。ポリエステル系複合ストレッチ繊維「T―400」とポリエステル糸をそれぞれ糸加工し、交織するという「手の込んだ作り方」で、軽さとストレッチ性を兼ね備えた素材の開発に成功した。織物であることからハリコシがあり、美しいシルエットを表現しやすい。

 衣料全体だけでなく、腕回りなど部分使いでも訴求。ランニング、アスレチック、ウインタースポーツなど幅広く提案する。

 09秋冬向け新素材としては他にも織物で太陽光吸収発熱素材「サーモストック」や、撥水・制電素材「エレペレ」を新たに打ち出した。サーモストックは衣服内で2℃上がれば快適という計算のもと、外衣用途で5℃程度上がる設計。従来の後加工でなく素材に特殊加工薬剤を浸透させることで50回の洗濯耐久性がある。

 ニットでは軽量性、防風性に優れたハイゲージの高密度素材「ウルトラシェル」を新たに開発。防風機能を持ったニットは従来経編みが中心だったが、特殊な糸と編みによる丸編み地で商品化した。そのため、1メートル当たりシャツ用途で130~150グラム、ウオームアップ用途で160~180グラムと軽量、毛細管現象を利用し吸汗・速乾性を発揮する「フィールドセンサー」のDP構造と組み合わせることで高機能を実現した。

 「ヒートコア」は炭素系無機粒子を練りこんだポリエステル長繊維を、ポリエステル短繊維で覆った芯鞘構造の太陽光吸収型保温素材。芯部分が見えることで杢調となり、意匠性でも優れるという特徴がある。

 縫製では快適性を持ちながら美しいヒップラインを創り出すパンツ「ウイントップ」を、ゴルフウエアなどに提案する。

 同社はスポーツ素材展示会「2009秋冬 東レスポーツメッセージ展」を7月1~3日に東京都中央区の東京本社で実施する。