ユニチカ不織布事業本部/複合SB増設を視野に
2008年09月01日 (月曜日)
ユニチカの不織布事業本部は2009年度からの次期中期計画で、「エルベス」を中心とする複合スパンボンド不織布(SB)の拡大と、綿100%使い「コットエース」を主力とするスパンレース不織布(SL)の加工度向上に取り組む。
SBは今上期の販売量が過去最高を記録した前期並みで推移。芯ポリエステル・鞘ポリエチレンから成るエルベスや低融点ポリエステルを鞘に使用したものなど複合SBがけん引する。SBは公称能力で年2万2000トンの規模を持つが、このうち6000トン以上が複合SBで占め、エルベスの生産設備はフル稼働にあるという。
低融点ポリエステル使いもカーペット基布向けで増加傾向にあり、複合SBの比率は高まっている。こうした動きに対応し、次期中計でも生活雑貨や産業資材を中心に複合SBを強化し「増設も視野に入れる」(津川優上席執行役員不織布事業本部長)。
SLはインラインで複合化できる設備の強みを生かして加工度を高める。綿100%SLも「着実に増加しているが、大きな伸びは見込めない」として、付加価値化を図る。
また、ニードルパンチ不織布製造のユニチカエヌピークロス(岐阜県不破郡)は従来の張布基布、フィルターに加え、色物も含めた自動車資材に本格参入。「その動向次第で新設備導入も検討する」考えだ。
同事業部は今上期、通期とも売上高では過去最高を更新する見通しだが、原燃料価格の高騰もあって、上期は減益を強いられる模様。タイのポリエステルSB製造子会社のTUSCO(テイジン・ユニチカ・スパンボンド〈タイランド〉)は1~4月が順調に推移も、欧米市場の冷え込みから同地区向け輸出が減退。増益ながらも当初見込んでいた大幅な増益は難しい見通しという。